日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

732.七福神

 「七福神」は室町から江戸初期の間に成立した。通常「大国神」「恵比寿神」「毘沙門天」「弁財天」「布袋和尚」「福禄寿」「寿老人」の7人。それぞれが「七福」の有福、清廉、威光、愛敬、大量、人望、寿命に該当するという。安土桃山以降は画題に選ばれて、宝船に七福神が乗り合う図柄が縁起が良いと好まれた。「大国神」は七福神の筆頭であり、日本神話の大国主神とインドの大黒天とが神仏習合でできた神である。右手に打出の小槌を持ち左手で袋の口を握る。「恵比寿神」は海に縁があり商売の神とされる。左わきに大きな鯛を抱える。「毘沙門天」は漢訳されて多聞天といい仏法四天王の一つでインドの神である。甲冑で武装し右手に鉾を持つ。「弁財天」は水をつかさどるインドの女神である。琵琶を抱いて右手にバチを持つ。「布袋和尚」だけは中国唐時代に実在した人物である。肥満体をして杖と布の袋を持つ。「福禄寿」「寿老人」はともに南極星の化身とされ、中国道教の仙神である。「福禄寿」は頭長白ひげで杖を握り白鶴をしたがえる。2020.4.29