日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

682.マカオと香港

マカオがポルトガルから中国に返還されて20周年を迎える。同じ「一国二制度」下の香港では抗議デモが続くが、マカオは中国との融合を歓迎する。香港は英国の統治下で貿易拠点として繁栄したのに対して、マカオは発展が遅れ治安も乱れていた。しかし1999年の返還後に状況は一変する。カジノ市場の開放を機にラスベガスなどの資本が参入して、産業が一気に拡大した。その結果中国本土や世界の富裕層を吸い寄せ、人口一人当たりのGDPは世界200の国・地域の中で今や3位にある。実はマカオでも中国によって自由への侵害が進んでいる。しかし経済的に改善が進んでいることで、政治的な対立はあまり起こっていない。両者の比較をすれば、面積は香港が1106平方キロと大きいのに対してマカオは30平方キロと小さい。人口も香港の749万人に対してマカオは67万人と少ない。香港の主要産業が金融・貿易なのに対してマカオはカジノ・観光である。一人当たりのGDPは香港が48450米ドルに対してマカオは81730米ドルと高い。マカオの新政権では主要高官11人中5人が中国本土からの移住者である。