日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

661.江戸川乱歩

江戸川乱歩は日本の推理小説の父といわれる。その作品数はおよそ140。本名は平井太郎、三重県に生まれた。中学時代、学校には半分くらいしか行かなかった。乱歩が若いころ、探偵小説は翻訳ものが主流で日本にその作家はほとんどいなかった。乱歩は探偵小説家をめざすが、この時代低俗なものとみなされ、世間から相手にされなかった。最初貿易会社に就職するが、1年で退社。他の会社に行ってもすぐ退社する。親の家で隠れるように小説を書いて、大正12年「二銭銅貨」で作家デビューする。大正14年には代表作の一つ「屋根裏の散歩者」を発表。独特の乱歩ワールドが評判になり一躍有名作家になる。戦時中乱歩小説は発売中止となるが、10年間の休筆を経て、明智小五郎と怪人二十面相が戦う「少年探偵団シリーズ」で復活する。東京池袋に、乱歩が亡くなるまで住んでいた家があり、見学もできる。そこには蔵があり、中は図書館のように乱歩が集めた本が並ぶ。乱歩はまた探偵小説トリック分類表もつくった。883の作品で使われたトリックを分類し分析した。私も中学高校時代にはよく読んだものだった。