日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

649.フランスのエッフェル塔

 「鉄の貴婦人」と呼ばれるフランスパリのシンボル「エッフェル塔」。建設当時世界一の建造物の2倍の高さを誇った。建設会社の2人の技術者が300mの世界一高い塔をつくろうと考えた。目的は記録を立てること。会社の社長エッフェルは、すでに多くの鉄建造物や鉄橋、自由の女神骨組みなどをつくり著名な存在だった。1994年にパリ万国博覧会が開催されると知り、エッフェルは二人の案を修正させて万博のシンボルにしたいと考えた。エッフェルはコンペに勝利して建造を開始するが、その前にはいくつもの困難が次々と押し寄せた。「景観を損なう」と訴訟を起こされたり、軟弱地盤対策で予想外の対策が必要になり、作業者たちのストライキがあったり。建設では1万8000もの部材をつくって現地に運び、250万個ものリベットにより接合された。エレベーターは脚部を斜めに上昇して中央部を最上階まで上げることになり、予想以上の費用を要した。1889年3月、エッフェルは約束通りの期限を守り、2年2か月をかけて塔の頂上にフランス国旗を掲げた。エッフェルは莫大な出費を入場料で回収した。塔は20年後解体されることになっていたが、無線通信の技術者フェリエがエッフェル塔を用いた電波送信実験に成功。こうして電波塔として生き伸びてフランスの象徴となった。