日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

646.「和食」ユネスコ無形文化遺産

 「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されているが、これは料理そのものをさすのではなく、無形である「日本人の伝統的な食文化」を指している。「和食」は素材の味を引き出してヘルシーな食事であることから、世界中に「日本料理」のお店が増えている。日本食の特徴のひとつが「だし」であり、素材の見栄えと味と香りのすべてを楽しむものだが、世界の日本料理店では必ずしもそこまで実践されていない。「うまみ」を生み出す「昆布」「かつお節」「煮干し」「干ししいたけ」などを利用してだしをとり、発酵でつくられた味噌や醤油などの調味料と併せておいしくいただく文化である。料理は自然の美しさや四季のうつろいを表現して、そこで季節感を味わう。また料理に合わせた器に盛って料理を出す。地域に根差した食材や、正月などの年中行事にも密接にかかわりを持つのも特徴の一つである。近頃は各家庭でそうした地域の伝統的な日本食をつくることも少なくなっている。