夏の八月が終わった。日本では古来、数の知れないものは八の数で止めようとするらしい。「嘘八百」といい、将軍様は八百万石、八十八は米寿の祝い。とにかくいっぱいあるという場合は「八」を使う。「八」が末広がりでめでたいからとされる。江戸は八百八町、大阪は八百八橋という。実際には江戸には千を超える町があった。大阪には約二百の橋があった。「松島は八百八島」という。神話の世界ではさらに八が多くなる。イザナギ・イザナミの二神は「八尋殿」を見立て「大八島国」を生む。誕生した神々は「八百万(やおよろず)の神」である。神器とされるのが「八咫鏡(やたのかがみ)」と「八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)」であり、スサノオノミコトが退治したのが「八岐大蛇(やまたのおろち)」である。「夏も近づく八十八夜」と歌う。ことわざでは「一か八か」「口八丁手八丁」「七転び八起き」「七難八苦」。2019.10.17