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421.超人「空海」   2018年10月24日

 今から1200年前の紀元804年、日本史上最高の天才が海を渡り唐の都「長安(今の西安)」へ行った。それが空海である。空海は書家としても知られ、日本各地に数々の伝説を残してきた。空海は774年四国に生まれ子供時代から非凡であった。31歳で遣唐使となって最澄とともに唐に渡った。最澄の場合は国費で行ったが、空海は私費留学生だった。そして空海は唐にわたったとき、すでに中国語が自由に話せたという。最澄が通訳を連れていたのと対照的だった。西安の青龍寺に留学して、インドから中国に伝わったばかりの、当時は最新の仏教であった「密教」を学んだ。ところで莫大な留学の費用であるが、空海は当時貴重であった「水銀」の鉱脈を見つけ出しそれをお金に換えたのでは?とされている。空海は恵果から後継者と認められて密教の全てを受け継いだ。帰国した空海はやがて高野山をひらく。62歳で永遠の瞑想に入った。高野山では今でも空海は生きているとして、1200年間毎日、奥の院に空海のための食事が届けられている。

420.ヒトの言語   2018年10月21日

 ヒト(人類)がつくりだしたものの中で最も重要なものに「言語」がある。私たちは普通に会話していてその重要性に気付いてはいないが。ヒトの言語は、「膨大なボキャブラリー」と「文法」によって可能になった。他の動物と同様に最初は「鳴き声」にすぎないものだった。ベルベットモンキーは鳴き声を使い分けている。プレーリードッグの鳴き声はさらに多様化している。しかし彼らの場合は、いわゆる「名詞」しかない。もちろん「文法」もない。アウストラロピテクスの場合も、同様に固有名詞だけだっただろう。ネアンデルタール人は名詞に加えて動詞も使ったかもしれない。石の道具を使い文字を持たない民族でさえ、けっこう複雑な言語を使っていることがわかっている。ヒトはより正確なコミュニケーションをやりたいという思いから、膨大な数の「名詞」に加えて、「動詞」「形容詞」「副詞」などを使い、その使い方における文法を定めることによって、複雑なコミュニケーションをも可能にした。現在地球上では約7000の言語が使われているが、それが次々と消滅しつつある。グローバル化などで200ほどしか残らなくなるといわれる。

419.伝書バト   2018年10月17日

 今や大変な情報化社会になり、大量の情報がデジタル化されて有線・無線で世界中をかけめぐっている。こうした手段がなかった時代のアナログ的な情報伝達送信に大活躍したのが「伝書バト」であった。紀元前のギリシャ古代五輪でも、優勝者の速報にはハト(鳩)が使われていたから、歴史は古い。特に活躍したのが第一次世界大戦である。日本陸軍は1919年にフランスから軍用鳩1000羽と移動鳩舎などを輸入してこれを利用した。旧日本軍は結局1945年の敗戦まで他の手段と合わせてハトを活用した。1923年の関東大震災では、他の情報伝達手段が壊滅した中で、約2000羽の鳩による通信が頼りにされた。朝日新聞社は大阪本社で200羽の鳩を飼い、1928年以降の甲子園野球大会では、大会期間中鳩便が計160回にわたり原稿、写真、イラストなどを球場から大阪に運んだという。人では1時間20分かかったがハトは12分だったという。それにしても鳩の帰巣本能はすばらしい。

418.生物の飛行   2018年10月13日

 飛行する生物の運動メカニズムが、ほとんど画一的に羽ばたき飛行であり翼の形もよく似ているのは、生物が飛行するための条件が極めて厳しく限られたものであることを意味している。アホウドリはグライダーのように大きなアスペクト比の翼をもって、できるだけ少ないエネルギーで遠くまで飛べるような体になっていて、非常に優れた滑空性能をもっている。一方でイヌワシは、小さいアスペクト比の翼と大きな尾羽を有して、木々の間を飛んだり急旋回や急降下ができるようになっている。鳥たちは自由な飛行を得るために、羽ばたくことで推力を生み出している。その羽ばたきも、下向きに動かした翼は必ず今度は上に戻さなければならないが、同じように戻したのではせっかくの水平飛行メカニズム効果が打ち消されてしまう。鳥たちは打ち下ろしのときと戻しのときとで翼の形や角度を巧みに変えることで、見事な飛行を可能にしている。鳥の場合は飛行機と類似した翼を活用するが、昆虫の場合は非常に薄い羽を高速で羽ばたかせている。かつての恐竜時代には最大翼幅12mという巨大な「翼竜」が空を飛んでいたというが、なかなか信じがたい。

417.日本国憲法   2018年10月10日

 憲法改正が議論されている。日本国憲法の構成をみてみよう。まず「前文」があり、次に「第1章」から「第11章」までで構成される。前文ではその643字に、国民みずからが主人公であるとの思いから、「国民主権」と「平和主義」を記載している。日本国憲法に特徴的なのが第1章の「天皇」と第2章の「戦争の放棄」である。第1章では天皇を、日本や日本国民の統合の「象徴」とし国民主権を明らかにする。第2章では平和主義のため軍隊も戦力も持たないことを記した。第3章が「国民の権利及び義務」で、国民のさまざまな権利を示し、親が子供に教育を受けさせる義務、勤労する義務、納税の義務を示している。第4章「国会」、第5章「内閣」、第6章「司法」の3つでは、立法と行政と司法の「三権分立」のしくみを明らかにしている。第7章以降は、国の機関のありようや国家権力の使い方が示されている。

416.巨大動物「マンモス」   2018年10月7日

 約400万年もの間地上に生活していた陸上の巨大草食動物が「マンモス」である。人類はかつてマンモスと同じ時代を生きていたのだ。マンモス最後の種である「ケナガマンモス」は、25万年の間地上に生息しそのほとんどは1万年前に姿を消した。最古のマンモスは、300~400万年前にアフリカ大陸から北へ移動し、ユーラシア大陸において「南方マンモス」が登場する。これは肩までの高さが4mと巨大であった。200万年前南方マンモスはベーリング海峡を渡って北アメリカへ移動し、北アメリカで「インペリアルマンモス」が登場する。そこからさらに南下して中米で「コロンビアマンモス」が現れる。一方ユーラシア大陸でも「ステップマンモス」が現れ、これが「ケナガマンモス」へとつながっていった。「ケナガマンモス」は比較的小型で、全身を長い毛でおおわれていた。「ケナガマンモス」のDNAは現代の象のDNAと99%が同じであるという。いくつもの壁画などにマンモスの絵が描かれており、人類はマンモスを怖れながらも利用していたことがわかる。1万3000年前にマンモスなど巨大動物の4分の3以上が姿を消している。その原因はわかっていないが、環境の変化や隕石落下などの説がある。最後までマンモスが生き残っていたのはシベリアで、その永久凍土層からいくつものマンモスが見つかっており、研究の進歩に貢献している。

415.「お茶」の話   2018年10月4日

 今日世界は「お茶の文明」と「コーヒーの文明」に二分されている。中国文明とイギリス文明の影響を受けたところはお茶の文明圏となっている。日本と中国は「緑茶」である。中国では大多数の人はジャスミン茶を飲んでいる。その元となっているのは緑茶である。同じ緑茶でも、日本では蒸してつくるが中国では釜炒りにしてつくるという違いがある。お茶は大きく「発酵茶」「半発酵茶」「不発酵茶」「代理茶」の4つに分けられる。熱処理をして自家発酵を止めた「不発酵茶」が緑茶である。半分がた発酵したところで止めた「半発酵茶」がウーロン茶である。発酵を続けると真っ黒になる。このように完全発酵させたものは独特のにおいを出す「発酵茶」となり紅茶が該当する。代用茶とはハーブティーなどである。日本に最初にお茶が入ってきたのは奈良時代の末であるが普及することはなかった。鎌倉時代に栄西禅師によってふたたびお茶がもたらされ、そのときは抹茶の色と香りが日本人の好みに合い、お茶が日本に定着して「茶の湯」も流行することになった。

414.ペットボトルとリサイクル   2018年10月1日

 ジュースや茶などの飲料容器として主役になったペットボトルは、リサイクルの優秀選手でもある。初めてペットボトルに入った飲料が販売されたのは1982年だが、その5年前にはしょうゆの容器として使われ始めていた。「ペット」は、炭素水素酸素でできた化合物「ポリエチレンテレフタレート」の頭文字PETからきている。軽いけれども、落としても割れず丈夫で、透明で中が見やすく安価であることから、飲料容器として優れている。清涼飲料でみると、ペットボトル入りの割合は、1996年には23%だったものが2016年には72%に増加している。今では年間約60万トン、227億本が販売されている。そして国内で回収されるペットボトルは約65万トン。回収されると8割強がリサイクルされ、50%強は国内で、それ以外は中国などでリサイクルされる。リサイクルの利用では、食品トレイなど用のシートが46%、繊維類が28%、ペットボトルが24%となっている。

413.ヒトの進化とチンパンジー   2018年9月26日

 特別な存在であるかのような「ヒト」も、基本的には外形も内臓も他の動物と違わない。だがヒトは他の動物とは異なる進化をしてきた。1984年にヒトと類人猿の違いがDNAから解析された。その結果DNAの98.4%が同じであることが判明した。予測ではせいぜい90%と思われていたのに。ヒトとチンパンジーやボノボの間には、たった1.6%しか遺伝子上の違いはないのである。ヒトは500万年前に登場したとされるが、どのように進化してきたのだろうか。300~250万年前に直立二足歩行を可能にすべく骨盤が進化した。アウストラロピテクス(猿人)が誕生し、5万年前にアフリカでホモサピエンス(現在の人類の祖先)が誕生する。ホモサピエンスは北上して中近東あたりでネアンデルタール人と遭遇する。両者はともに大きな脳をもっていた。だがやがてネアンデルタール人は絶滅してしまう。ホモサピエンスの方が「より発達した言語をもっていて計画を立てて行動できたから」と予測されている。実はアフリカ以外に住むホモサピエンスには、ネアンデルタール人のDNAが3%ほど含まれているという。

 

412.節句と節分   2018年9月23日

「節句」は中国の陰陽五行説に由来し、江戸時代に公的な行事として「五節句」が定められた。1月7日は七草の節句、3月3日が桃の節句、5月5日は端午の節句、7月7日は七夕、9月9日が菊の節句である。一方で「節分」は、立春、立夏、立秋、立冬の前日のことであり、1年に4回ある。だが今では節分といえば立春の前の日をさす。そして「豆まき」が行われる。ある調査によれば、節分の実施率は37%で、クリスマス(69%)やバレンタイン(42%)に及ばない。そしてこの37%も、「豆まき」とは限らない。節分の内容に関する調査では、恵方巻を食べたが51%で豆まきは29%だった。その「豆まき」も今では大豆をまくとは限らない。豆まきで有名な千葉の成田山新勝寺では大豆と落花生の両方を詰めた袋をまく。大阪の通天閣も長野の善光寺も「落花生」をまく。北海道、東北、新潟などでは多くが落花生をまく。「殻付きなので清潔」「拾いやすい」「やわらかくおいしい」といった理由のようだ。