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431.車輪の発明   2019年1月13日

 自然界・生物界において、移動などに「回転輪」を用いているものは、ほぼ存在していない。人類にとってあらゆる時代を通して最も重要な機械的発明、それが「車輪/回転輪」である。水車からジェット機まで私たちが日常的に使っているもののすべてが、何らかの形で「車輪/回転輪」に依存している。回転輪を最初に利用したのは古代メソポタミア人と考えられている。彼らは紀元前3200年頃には戦車をつくり出している。ちなみに、マヤ・アステカ・インカはいずれも高度に発展した文明であるが、「車輪/回転輪」は使われていない。「車輪/回転輪」を用いた荷車や馬車を使えば、摩擦を大幅に軽減でき、速度が速くなり、方向を変えるのも容易になる。こうして荷物を運ぶための労力低減に大きな効果をもたらした。それに対応して道路が整備されるようになる。また「回転輪」を利用して動力を得る方法を開発した。最初は水車や風車であったが、産業革命において、蒸気を利用してそれまでよりずっと大きな動力を得る技術を得た。今や身の周りを見れば多くの製品がエンジンや電動モーターによる回転を利用している。水車や風車を回転させる発電や、タービンを回転させる発電は「電力」を生み出して、私たちの豊かな生活をもたらしている。

430.コンタクトレンズ   2019年1月10日

 コンタクトレンズは、薄いレンズを目に装着するだけで視力矯正ができ、大変便利なものである。コンタクトレンズはプラスチックでできており、大きく分けて「ソフトレンズ」と「ハードレンズ」の2種類がある。ソフトレンズは水を含むプラスチックでできていてやわらかい。ハードレンズは水を含まないプラスチックでできていて硬い。現在ではコンタクトレンズ使用者の約8割が「ソフトレンズ」であるという。歴史的に見れば、最初はガラス製だったが、1940年代になってプラスチックの新しいコンタクトレンズが開発された日本では1951年にメニコンの創業者田中が日本初の角膜コンタクトレンズ実用化に成功した。コンタクトレンズは眼鏡に比べて本来の見え方に近いという利点がある。顔を下に向けても落ちることはないが、これは涙の表面張力によるものである。ハードレンズよりソフトレンズの方が、涙が蒸発しやすいため、ドライアイになりやすいとされる。またうっかりコンタクトレンズをつけたまま寝てしまうと、角膜へ酸素供給不足になり視界がぼやけたりすることがある。

429.お彼岸   2019年1月4日

 現在は春彼岸にあたる。お彼岸は、生死流転のこの世界(此岸)から涅槃の世界(彼岸)への道を無事にたどりつくために、日ごろの自分を反省し、ご先祖に感謝していこうというもの。お彼岸には仏壇やお墓を美しく整え、花や水、故人の好物などをお供えし供養する。「お彼岸」行事は仏教の発祥地であるインドにも、中国にもない日本独自の仏教習慣である。「暑さ寒さも彼岸まで」というように、一年のうちでもっとも良い季節にあり、彼岸は春と秋との2回。春の彼岸は春分の日を中心に前後3日の七日間、秋の彼岸は秋分の日を中心に前後3日の七日間である。春分の日と秋分の日は、昼と夜の長さが同じになる日である。春彼岸に食べるのは「ぼたもち」で、秋彼岸に食べるのは「おはぎ」であるが、実は同じものである。春は「ぼたんの花」を秋は「萩の花」を意識して呼ばれる。

428.殺虫剤   2018年12月29日

 殺虫剤には大きく分けて「スプレータイプ」「煙タイプ」「えさタイプ」の3種がある。蚊やハエの殺虫剤に最もよく使われている成分は、「ピレスロイド剤」と呼ばれるものである。これは昆虫の皮膚や気門を通して体内に入り込み、神経細胞にあるナトリウムチャネルという部分にくっつく。ナトリウムチャネルはナトリウムイオンを取り込むための通路であるが、ここにピレスロイド剤がくっつくとチャネルが開いたままで閉じなくなり、神経細胞が興奮しっぱなし状態になる。その結果体にけいれんが起こり、昆虫は動けなくなる。家庭用殺虫剤として次によく使われるには「有機リン剤」である。これも昆虫の神経細胞に作用して、興奮様態を止まらなくする。こうした殺虫剤成分であるが、正しい使い方なら人に害が出る影響はほとんどない。理由の第一は、その有効成分の量が人にとってはかなり微量だからである。第二は人体にはこうした殺虫剤成分を分解する解毒酵素があるから。ただ昆虫の中には、殺虫剤成分への抵抗性が増して、しぶとく生き続けるものがいるらしい。

427.身近な金属「鉄」   2018年12月26日

 鉄は最も身近な金属のひとつである。人類は鉄を使って、武器を作り、列車を走らせ、高層ビルを建ててきた。鉄は自然界には酸化鉄や硫化鉄の形で存在する。歴史的には「石器時代」「青銅器時代」に続いて「鉄器時代」がやってくる。紀元前3000年頃メソポタミアで鉄が知られていたが、当時は鉄鉱石から鉄を製錬することはできず、紀元前1400年頃になってヒッタイトにおいて初期製鉄法が開発された。地球の中心には鉄とニッケルでできた「核」があり、地球の質量の3分の1は鉄で占められているらしい。実は地球は「鉄の惑星」といえる。中心核の鉄は高温のため液体になって対流している。このため電磁石の役目をはたし地球の磁場を生んでいる。恒星の内部では核融合反応が進むが、この核融合の終着点が原子番号26の鉄なのである。全ての原子核の中で最も核反応を起こしにくいのが鉄である。

426.日本の百寿者   2018年12月23日

 100歳以上のお年寄り(百寿者という)の人数は、1963年には全国で153人だったが2017年には6万7000人で、400倍以上に増えた。男女比は7:1で圧倒的に女性が多い。世界で最も百寿者が多い国は米国で、2位が日本、3位が中国、4位インドと続く。百寿者の性格調査結果では、男性は好奇心が旺盛で新しいものを受け入れられる開放性が高い人、女性はいろいろな人とつきあえる外向性や開放性誠実性が高い人、だという。「フレイル」とは虚弱を意味する英語からきているが、年をとり心身の活力が衰え弱々しくなった状態をいう。フレイル予防は、(1)運動、(2)食と栄養、(3)社会参加の3つを継続していくことという。「運動」「文化活動」「ボランティア」「地域活動」をやっている人は、フレイルのリスクが低い。また「オーラルフレイル」という言葉もあり、しゃべったり食べたりという「口まわりの健康」が大事だ。しっかり呼吸し、話をし、よくかんで、しっかり飲み込み、唾液を出して、おいしいものをおいしいと感じること。

425.徳川の家紋   2018年12月20日

 徳川260余年にわたり天下を掌握したのが徳川家の「三つ葉葵紋」である。この家紋はテレビドラマ水戸黄門の印籠でもよく知られており、将軍家及び徳川御三家の権威の象徴であった。葵は本来二葉葵であり、三つ葉葵は存在しないが三つ巴紋に似せたデザインにしたと思われる。織田信長や豊臣秀吉は複数の家紋を使っていたが、家康は他の家紋を使わず「「三つ葉葵」にこだわった。実は葵紋は以前から、松平家、酒井家、本多家が使用していたが、家康は将軍を宣下した頃から他の家には使わせず「独占紋」として、将軍の権力を示すことに使った。ただ歴代将軍により葵紋のデザインは微妙に異なる。一方天皇家は「菊紋」を用いている。明治以降第二次大戦終了までこの天皇家「菊紋」をみだりに使用することは禁じられた。現在日本国パスポートの表紙には、この「菊紋」が入っている。この菊紋に準じる準国章としての「桐紋」は現在の500円硬貨に入っている。

424.JR東日本の新幹線   2018年12月17日

 新幹線のスタートは東海道新幹線だが、JR東日本の場合でみれば、国鉄時代の1982年6月であった。

 東北新幹線の大宮―盛岡間が開業したのだ。同年11月には大宮―新潟間の上越新幹線も開業する。だが当時は「大宮始発」という暫定開業だった。それでも大宮―盛岡間を3時間17分で結ぶ画期的なものであった。1985年3月には上野まで延伸し、1991年6月になってやっと東京へ直結した。その後も2002年に盛岡―八戸間が、2010年に八戸―新青森間が開業して、東北新幹線は28年をかけて全線開通を果たしたのである。2016年には新青森―新函館北斗間の開業によって、新幹線はついに青函トンネルを通り津軽海峡を越えた。1982年の東北新幹線開業当時、その最高速度は時速210キロだった。その後高速化と快適性の新技術追求により、現在のE5系、E7系では日本最速の時速320キロ運転を実施している。

423.著作権保護期間   2018年11月1日

 小説や音楽、美術などの著作権が保護される期間は、現在「作者の死後50年」であるが、これを70年に延ばす著作権法改正案が近く国会に提出される。著作権があるかぎり、作品の利用には原則として費用と著作権者の許可が必要である。18世紀に世界最古の著作権法とされる英国の「アン女王法」が成立したときには著作権は、「作品公表後14年間」だったという。だが権利者側の意向で延長が繰り返された歴史がある。今回の延長問題が出てきたのは、環太平洋経済連携協定(TPP)がきっかけである。世界的に稼げるコンテンツを多く保有して、保護期間をすでに「70年」にしている米政府が、各国に足並みをそろえるよう求めたのだ。保護期間は、作者の遺族の利益や小説や漫画の出版や二次創作などに影響するので賛否両論がある。

422.バイオプラスチック   2018年10月28日

 「バイオプラスチック」は大きく2種類がある。当初は、土に埋めるなどすると微生物によって自然に分解される「生分解性プラスチック」のことだった。しかしその後、石油や石炭などの化石燃料を使わず、再生可能な生物由来の材料を使った「バイオマスプラスチック」が登場し、現在はどちらも「バイオプラスチック」と呼ぶ。後者は例えばトウモロコシやサトウキビなどを原料にするが、これらは大気中にあった二酸化炭素を光合成で吸収したものなので、それを燃焼・廃棄しても二酸化炭素の増減がゼロになると判断するもの。残念ながら100%完全な植物由来の製品はほとんどない。強度などが不十分で石油由来の材料と混ぜて使われる。業界では25%以上含めば「バイオマスプラスチック」の表示が使える。まだプラスチック全体に占める割合は1%に満たない。