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732.七福神   2020年10月19日

 「七福神」は室町から江戸初期の間に成立した。通常「大国神」「恵比寿神」「毘沙門天」「弁財天」「布袋和尚」「福禄寿」「寿老人」の7人。それぞれが「七福」の有福、清廉、威光、愛敬、大量、人望、寿命に該当するという。安土桃山以降は画題に選ばれて、宝船に七福神が乗り合う図柄が縁起が良いと好まれた。「大国神」は七福神の筆頭であり、日本神話の大国主神とインドの大黒天とが神仏習合でできた神である。右手に打出の小槌を持ち左手で袋の口を握る。「恵比寿神」は海に縁があり商売の神とされる。左わきに大きな鯛を抱える。「毘沙門天」は漢訳されて多聞天といい仏法四天王の一つでインドの神である。甲冑で武装し右手に鉾を持つ。「弁財天」は水をつかさどるインドの女神である。琵琶を抱いて右手にバチを持つ。「布袋和尚」だけは中国唐時代に実在した人物である。肥満体をして杖と布の袋を持つ。「福禄寿」「寿老人」はともに南極星の化身とされ、中国道教の仙神である。「福禄寿」は頭長白ひげで杖を握り白鶴をしたがえる。2020.4.29

731.予防接種とワクチン   2020年10月18日

 人間が、それ以前にはもってなかった「免疫」をつくり出す薬品、それが「ワクチン」である。人体は、病原体に起因する病気を経験すると、その病気に対する「免疫」ができる。白血球の一種であるリンパ球が「抗体」と呼ばれる物質を放出する。これが病原体を無効化する力をもつ。パスツールはコレラ菌をニワトリに接種したらコレラが発症しなかったことから、ワクチン開発に取り組んだ。1879年にコレラのワクチンを、1881年には炭疽菌のワクチンをつくりだすことに成功した。ワクチン中の抗原による一次免疫が体中に記憶細胞をつくりだす。これが病気に対する免疫をもたせ病原体が侵入しても感染を防ぐ。一定地域の十分な数の住人が病気に対する免疫を獲得すれば、病気が広がるのを抑えることができる。これが「集団免疫」の考え方であり、集団予防接種を生んだ。20世紀になってジフテリア、百日咳、肺結核、破傷風のワクチンが開発された。190年代にはしか、おたふくかぜ、風疹などのワクチンが開発された。新型コロナでもワクチンの開発が期待されていますが時間がかかりそうです。

730.人工呼吸器、人工肺   2020年10月17日

新型コロナウイルスの患者救命で話題になったのが「人工呼吸器と人工肺」である。自力での呼吸が難しくなったときに空気が肺に入るのを助けるのが「人工呼吸器」。息を吸おうとするときに装置で空気を肺に送り込むもので、主に使うのが患者の口から樹脂製の管を入れるタイプだ。治療が長引く場合は、のどに小さな穴をあけそこから管を入れる「気管切開」を行う。肺の働きがさらに弱まった場合には、「体外式膜型人工肺」略称ECMOエクモである。これは患者の静脈からチューブを通して血液を体外に取り出し、酸素を含ませるなどして再び体内に戻す装置である。国内に人工呼吸器は約2万2000台、ECMOは約1400台あるが、装置の扱いに慣れた医療スタッフの確保が問題になる。こうした装置は欧米からの輸入品が多いことも問題になっている。私が使っているのも人工呼吸器の一種かと思うが「酸素濃縮器」である。

729.日本の勲章   2020年10月16日

毎年春と秋に行われるのが勲章の授与式である。昨年秋には全国で4000人が授与された。勲章はもともと西ヨーロッパに始まった文化であり、自身の名誉と特権を示すものだった。日本では明治維新後に導入されて、現行6種の勲章になった。最高勲章が(1)大勲章菊花賞、次が(2)桐花大綬章、さらに(3)旭日章(4)瑞宝章(5)宝冠章(6)文化勲章がある。1867年パリ万博に江戸幕府が出展したが実は薩摩藩も別に出展していた。薩摩藩は幕府よりも先にフランスに入り根回しをしていたが、そこで効果があったのは「薩摩琉球勲章」であったという。勲章を発行できるのは主導権をもった君主であるので、フランス人には江戸と薩摩の2つの政府があると認識させた。現在の勲章は造幣局において手作りでつくられている。そこには工芸品としての美しさのために七宝の技術が使われている。明治8年最初につくられたのが旭日章だった。それは軍人と役人に与えられた。「天皇陛下によって」ということ喜びをもって。

728.アルコールに強い人弱い人   2020年10月15日

人類とお酒の話は以前にも書いたが、今度はアルコールに強い人と弱い人の話。飲んだお酒は、胃や小腸で吸収されて血液に入り、肝臓まで運ばれる。お酒を飲むとその成分のアルコールが体内でアセトアルデヒドという物質に変わり、さらに酢酸になって最後は二酸化炭素と水とに分解される。日本人には、アセトアルデヒドを酢酸にする処理能力を、「普通にもっている人」「処理能力が低い人」「全くもっていない人」の3種類がいる。それぞれの割合はおおよそ55%、40%、5%とされる。「能力が低い人」は、お酒を飲むとアセトアルデヒドの処理が進まずに、フラッシング反応が起きる。これは血管が広がって顔が赤くなるとか、心臓がドキドキするとか頭痛がするなどしてしまう反応。「全くもっていない人」の場合は、すぐに気持ち悪くなってしまい倒れてしまうこともある。「普通にもっている人」が能力以上に飲み続けると、がんになるリスクが高まるそうだ。私の場合もお酒を飲むと顔が赤くなりやがて頭痛になる。ちなみに「酔う」のは脳内アルコール濃度が上がるせいらしい。

727.身長と骨の成長   2020年10月14日

人間の身長が伸びていくには骨の長さが伸びていくことが必要である。人間は大人も子どもも骨の数は206本で同じであり、骨の長さや太さが異なっている。骨は「骨芽細胞」と「破骨細胞」とが協力してそれを形成し成長させていく。「骨芽細胞」は、骨の周りの軟骨を材料にして硬い骨をつくり出す。「破骨細胞」は、つくり出した骨の不揃いな部分を壊しながら形を整えていく働きをする。この二つの繰り返しで全身の骨が形成され成長していく。身長に元最も影響するのが太ももやすねの長い骨である。この骨の端部には、骨の元になる軟骨と、骨芽細胞と破骨細胞が集まっている部分があり、ここで軟骨が硬くなりながら骨が成長していく。骨芽細胞が活発に働くエネルギー源が「成長ホルモン」である。思春期を迎えると登場するのが「性ホルモン」で、骨芽細胞の働きを高めこの時期にどんどん身長が伸びる。同時に性ホルモンには軟骨を減らす働きもあって、その結果身長の伸びは停止していく。

726.消せるボールペン   2020年10月13日

 パイロットの消せるボールペンは世界100か国で26億個も売り上げたヒット商品である。開発をスタートさせ継続した責任者は中筋さん。商品化まで30年以上かかった。中筋さんは1966年に名古屋の筆記具会社パイロットに入社、筆記具以外のインク開発部門へ。そこで「色が変わるインクをつくりたい」と思う。1971年には加熱すると消えて冷やせば元に戻るインクを開発した。インクはABC3つの材料からなる。AとBは透明だが2つがくっつくと色が出る。加熱するとBはAから離れてCに付くので色が消える。温度が下がると再びCはBから離れてAとBがくっついて色が出る。しかしここから長い期間は、「面白いけど何に使えるのか?」に対していろいろな商品を試行錯誤して過ぎていく。2001年社長が「消せるボールペン」の開発を求めた。ボールペンとして使うためには二つの大きな課題があった。(1)お湯ではない方法で「簡単に消せること」(2)氷点下になっても消えたままでいること。(1)には摩擦熱を利用する方法で対応。(2)は65℃以上になると消えてー20℃になっても消えないインクを開発した。こうして2005年に画期的なボールペン「フリクション」が完成した。中筋さんはその後社長にもなっている。2020.4.15

725.マスクの話   2020年10月12日

新型コロナウイルスの対策でマスク不足が問題になっている。マスクを着用する目的には3つがある。
(1)ウイルスや花粉などの微小粒子の取り込みを防ぐ、
(2)菌やつばなどを外に飛ばさない、
(3)鼻やのどの粘膜を保湿・保温する。
ドラッグストアなどで手に入れやすい不織布やガーゼのマスクは「衛生マスク」といい、上記(2)や(3)の役割を果たす。サージカルマスクも(2)の目的で使用される。つまりこうしたマスクは基本的にウイルスの侵入を防止するのではなく、自分がウイルスを含む飛沫等を外部に出さないことで使用するのが主目的である。外の粒子から身を守る(1)を達成するには「防じんマスク」が必要であり「N95」や「DS2」といった規格がある。粉じんが舞う作業現場ではさらに密着度の高い防じんマスクを使う。衛生マスクでは、こうした粉じんやウイルスが侵入するのを完全には防止できない。どうしても鼻やほおとの間にスキマができてしまう。マスクを外すときには、外側表面には触れずにヒモ部分を持ってそっと外し、そのまま廃棄する。

724.美食を求める人間   2020年10月11日

動物たちはみな生きていくために食べる。人間だけが「おいしさを追求する」ためにも食べる。おいしさはヒトを幸せにする。人間は食べることへのこだわりを持つ美食モンスターだ。時には病になるとわかっていても食べる。多くの植物は苦み物質を蓄えて動物から食べられないように身を守る。動物は苦みを感じると「毒の可能性から食べるな」と判断していた。しかし動物は苦みをおいしいと思える感覚を身につけるようになる。また人は舌よりも嗅覚でおいしさを強く感じる。人間は脳の中で味とにおいを合わせた「風味」でおいしく食べる。ヒトは口から鼻・のどがつながりになって、食べ物の香りが強くおいしさに結びつく。実際に嗅覚を失うと「おいしさ」も失ってしまう。ヒトは200万年前に加熱調理を手にして、おいしい料理を考えるようになる。ヒトはおいしさを共有することも大切で、どういう環境で、誰と一緒に食べたかということが、おいしさの記憶になる。集団で生きるために共感を生み出すために食事をする。

723.黒船来航とお台場   2020年10月10日

東京湾の人気スポット「お台場」。その名前は江戸の守りの砦としてつくられた「砲台の場」から来ている。現在レインボーブリッジのそばにある2つの島が、第三と第六台場であり実際は合計6個がつくられた。各台場は長さ6mもの杭を数千本打ち込んで新たな島をつくった。台場は中央に窪地をつくり周囲には土塁がつくられた。その土塁には30門くらいの大砲が設置されていた。大砲は江戸湾に入る船の航路を集中的に攻撃できるよう配置された。1853年にペリー艦隊が1回目の来航をして江戸幕府に強硬に迫った。そこで幕府は江戸を守るために台場をつくる。同時にペリー艦隊との戦い方をいろいろと検討していた。翌年1月ペリーが予定よりも早くに2回目でやってきた。そのときに台場はまだ3つしかできていなかった。ペリーは開国と貿易を要求し、江戸城では和平派と開戦派とが議論する。老中阿部正弘は前向きな外交交渉を考慮し、3月に日米和親条約を締結し、戦争は回避した。江戸湾はお台場から4キロ沖合まで水深5mエリアが続き、ここに黒船は入ってくることができない。