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641.乗車券自動改札機   2020年8月6日

 今では当たり前の駅にある「乗車券自動改札機」であるが、かつては駅員さんがいちいち切符を目視で確認していたという事実が信じられない。今では運賃をごまかす「キセル乗車」も難しくなっているという。実用機としては、大阪万博に合わせて1967年に新規開業した阪急北千里駅で、近鉄と立石電機(現オムロン)が共同開発した定期券、普通乗車券それぞれの専用機が設置されたのが最初である。この時は乗車券にデータを穿孔して光学的に読み込む方式。その後乗車券の裏に磁気的に情報を書き込んで読み取る方式の「磁気乗車券定期券自動改札機」が立石電機で1973年に開発された。統一規格が定められて、日本信号と東芝も自動改札機の開発に着手した。現在もこれらの3社が続けている。首都圏での本格投入は遅れて、国鉄が分割民営化された後の1990年代になる。新幹線については、1979年に東海道新幹線全駅に4枚の切符を同時投入可能な長さ2.6mの機械が設置された。

640.秋の果物「柿」   2020年7月20日

 秋を代表する果物である「柿」は、栄養豊かな健康食品である。柿には甘柿と渋柿とがある。成熟期の渋柿は、渋みのもとになる水溶性のタンニンを多く含む。甘柿はタンニンを蓄積する細胞が途中で成長を止めるため成熟時には渋みがなくなる。渋柿でも、アルコールや二酸化炭素で渋抜きができる。子供のころには、渋柿を焼酎につけておいた「たる抜き」というのをよく食べていた。現在スーパーなどで市販されている甘柿の多くは、二酸化炭素を用いて渋抜きをしたものである。今では種無しの「平種無」などは人気が高い。柿のタンニン(ポリフェノール)は血糖値上昇を抑制する働きがある。カリウムも多く含み、果物でトップクラスのビタミンCを含む。抗酸化作用のカロテノイドも豊富である。渋抜きをしても柿のタンニンの効果は変わりないらしい。また昔から日本人は「干し柿」という方法で、渋柿を日持ちさせて冬の甘味食品として活用してきた。食物繊維をたっぷり含む健康食品である。

639.ラジオ体操   2020年7月19日

 ラジオ体操のスタートは、1928年昭和天皇即位の記念式典で、NHKラジオで流された「国民保健体操」である。逓信省幹部が米国視察に行ったとき、生命保険会社が考案したラジオ体操に出会い、これを輸入した。戦時色が濃くなると、国民の体力向上及び精神高揚を目的に広がった。しかし終戦後はGHQによってラジオ体操は中止されることになる。何十万、何百万の日本国民が一斉に同じ体操で体を動かすという行動を嫌った。しかしラジオ体操の再開を望む声が広がり、1951~1952年になって、いつでも誰でもどこでもできる「ラジオ体操第1」と、職場での運動を想定した「ラジオ体操第2」とが発表された。「ラジオ体操第1」は子供から老人までを想定し、「ラジオ体操第2」は一般成人を想定したとも言われる。これが現在までつながっている。このとき実は「ラジオ体操第3」も作られていたという。しかし動きが複雑でラジオでは説明が難しかったこともあり、いつしか忘れられてしまった。「幻の体操」といわれたが、2013年に残っていた資料などを元にして復刻された。テレビでその動作を見たが確かに覚えるのは難しいようだ。でも「第3」は有酸素運動としては良好だという。

638.天気予報と民間気象会社   2020年7月18日

 天気予報をするのは気象庁だけというのは昔のこと。1995年から民間の会社でも天気予報発表が可能になった。今では60以上の民間企業が参入している。気象庁の衛星や観測データを基にして、独自のデータも加えて生活や業務に役立つようなより細かい天気予報を出している。今ではお天気アプリで5分先の予報を見ることもでき、250m四方単位で雨雲レーダーでの予測ができる。その背景には観測器の多さがある。独自開発の観測器を全国に1万3000か所設置、さらにAIで予測精度を上げている。短時間で狭い範囲に激しく降る「ゲリラ豪雨」、原因の積乱雲は発達スピードが速く予測が困難とされていた。今はその9割を1時間前には予測可能になった。全国にいる隊員たちから「雲の写真」を送ってもらいそれを利用している。会員数は全国に10万人以上、報酬はない。民間最大の気象情報提供会社は、「ウエザーニューズ社」である。一般向け予報と特定事業者向け予報があり、後者は食品業界やコンビニなどでも活用されている。2019.10.9

637.世界の人口と労働力   2020年7月17日

 日本の2017年労働者人口は6720万人、一方外国人労働者数は約130万人。つまり職場に50人いると一人は外国人という割合になる。世界の人口は2017年に76億人を突破して今も増加を続けている。人口増加率をみると、アフリカなどの発展途上国では30~35%にもなる一方で、日本をはじめとする先進国では軒並みマイナスになっている。発展途上国では、以前として子供は大切な労働力という考えがある。医療や衛生問題の改善が進められて子供の死亡率が低下し、人口増加に拍車をかけるが経済発展が追いついていない。一方先進国では少子高齢化が進んで、労働者人口が減っていく。そこで仕事を求めて先進国へ移動することになる。世界で最も少子高齢化が進んでいるのが日本である。1980年には5%だった高齢化率は、1990年から急上昇して今や25.7%と4人に1人が65歳以上という超高齢社会になっている。そこで労働力を海外に求めるが、そこにはいくつもの課題がある。

636.畑のお肉「大豆」   2020年7月16日

 あるテレビ番組で下記のような問題が出された。「枝豆はそのまま育つと何になるか?」「大豆を暗いところで育てると何になるか?」いずれも簡単な質問だが。私たちに身近な食べ物である大豆だが今はほとんどが輸入である。子どものとき我が家の隣は大豆畑であった。大豆は弥生時代に朝鮮半島を経て日本に伝えられたという。肉を食べる習慣がなかった日本人にとって、貴重なたんぱく源であった。一般的に私たちが食べているのは「黄大豆」で、他にも「黒大豆」「青大豆」などがある。代表的な大豆を用いた加工食品は、(1)しょうゆ、(2)味噌、(3)豆腐、(4)納豆であるが、豆腐をさらに加工したものに(1)油揚げ、(2)厚揚げ、(3)がんもどき、(4)高野豆腐などがある。豆腐をつくる過程で生まれるものに「おから」「豆乳」があり、豆乳を用いて「湯葉」ができる。枝豆は大豆の成長途中のもので、宮城には枝豆を使った郷土料理「ずんだモチ」がある。また大豆を水に浸して暗いところで発芽させると「もやし」ができる。「きな粉」は大豆を粉末にしたものである。ところで、大豆の用途で最も多くを占めるのは、実は「食品用」ではなく「大豆油用」である。

635.ライト兄弟の成功   2020年7月15日

 1903年アメリカのライト兄弟が、フライヤー号と名付けた複葉、先尾翼式の動力飛行機で、世界で初めて空を飛んだ。12秒間36mの飛行に成功したのだ。わずか数人が見守る中でのことだった。兄弟は合計4回飛行し、最長は59秒間260mだった。この飛行機には2つの推進式プロペラが下側の翼に設けられ、直立4気筒12馬力のエンジンから、自転車用チェーンで減速して左右のプロペラを互いに逆方向に回転させた。車輪はなく、木製レールの上を走る台車に乗せて離陸した。向かい風も幸いした。

ライト兄弟の成功は単なるまぐれではなく、科学的な知識と長年にわたる技術と計算の積み上げによるものだった。1900年にグライダーをつくって滑空実験をやり、揚力の研究と操縦法体験をした。研究小屋に手製の風洞をつくり翼形と揚力の実験をした。ガソリンエンジンもプロペラも自分たちで設計製作した。このライト兄弟の成功は、デイトン市の新聞が小さく報じただけだった。ライト兄弟はその後もフライヤー2号機と3号機をつくり、3号機では8字飛行にも成功した。ライト兄弟の成功が世界に知られると、特にヨーロッパの技術者たちが次々と挑戦することになる。

634.移動通信規格「5G」   2020年7月14日

 次世代移動通信規格「5G」が話題になっている。移動通信の技術は、ほぼ10年ごとに代替わりしてきた。Gとは世代Generationの略。1980年代の第一世代(1G)はアナログ方式だった。次の2Gからデジタル方式になり、3Gで携帯電話での画像や動画でのやりとりが可能になった。現在の4Gではスマホで大容量動画なども楽しめるようになった。最大通信速度は、30年間で約10万倍になった。次世代「5G」の特徴は3つある。(1)超高速:現在より100倍速い通信を可能にする、(2)超低遅延:リアルタイムに遅延なく遠隔地ロボットなどを操作できる、(3)多数同時接続:スマホやパソコンだけでなく身の周りのいろんな電子機器をネットにつなげられるようになる。国内の通信4社は、それぞれ1万~4万か所程度の5G基地局を2024年度末までに開設する計画だ。5Gに割り当てられた高い周波数の電波は、遠くに飛ぶと減衰しやすいので新型アンテナなどの技術が必要になる。また5Gの維持には莫大なコストが必要になる。2019.10.02

633.自動販売機   2020年7月13日

日本は世界一の自販機大国である。その数は全国で約294万台。国土面積で見ればその数は世界一であり、多種多様な飲料等が販売されている。自動販売機の製造で国内トップシェアを握るのが富士電機。自動販売機の外箱は鋼板からなり、基台に溶接されている。外箱板の内面には断熱材が貼られている。その中に商品収納ラックが3個横に並んで設置される。ホット飲料用ラックとコールド飲料用ラックの間には真空断熱材が入れられている。この1台の自販機でホットとコールドの両方を収容販売する自販機は、1974年に世界初で実現した。コールドは5℃、ホットは55℃に設定。1個の冷却ユニットで冷気と暖気の両方をつくり出している。自販機内部で飲料缶は縦に並んでいるが、直列ではなくジグザグになっていて落下時の衝撃を減らしている。現在では自販機にコンピューターが内蔵されて、内部の全商品ではなくもうすぐ売れる商品のみを判断して、部分的に冷却又は加熱することで電力消費を削減している。

632.ヨーグルトと腸内細菌   2020年7月12日

 100年以上も前、ロシアの動物学者メチニコフは、コーカサス地方に長寿の人が多いことに気づき、これはヨーグルトを食べているからであるという仮説をたてた。ヨーグルトや漬物といった発酵食品でおなじみなのが「乳酸菌」である。乳酸菌とは、糖類を分解して主に乳酸を出す細菌の総称である。ヒトの腸は長さ7~9mあると言われ、その中には100~3000種類の細菌が存在し、その数は100~1000兆にもなって重量は1~2キロにもなる。こうした細菌類には、善玉菌と悪玉菌と日和見菌の3種類がある。日和見菌は体が弱ってくると悪玉菌を助ける働きをするもので、菌全体の7割にも及ぶという。乳酸菌やビフィズス菌は善玉菌である。実は乳酸菌は土壌や海、植物の表面や動物の体内などあらゆるところにいる。善玉菌が出す乳酸や酢酸には、腸粘膜の機能を高めたり、有害な悪玉菌を排除したりする機能がある。また乳酸菌は免疫細胞を刺激し免疫を活性化させる働きもある。常に乳酸菌類を含むヨーグルトや発酵食品をとることで、腸内フローラを良好に維持することができる。