佐藤光雄(技術士:機械、宮城県)
« 1 2 (3) 4 5 6 ... 20 »
 2018/01/25 (129 ヒット)

 かつて仙台市内にも市電が走っていた。大正15(1926)年、木造4輪の市電が大町1丁目~仙台駅前~荒町間の3.3キロで営業を開始した。初めから市営であった。開業当時の運賃は5銭。その後、長町、八幡町、北仙台などへ延長されていった。仙台市電の最盛期は昭和30年代で、89両もの車両で一日平均10万人を運んだという。しかし路線は一般道路と重なっていたため、モータリゼーションによる道路の混雑から、市電の定時制が保てなくなった。利用者は減少していった。1967年にはワンマン化―を導入。しかし昭和51(1976)年、時代の流れに勝てずに仙台市電はついに幕を閉じた。この仙台市電が秋保電鉄とも接続していた時期がある。秋保電鉄とは、仙台の長町と秋保温泉を結んでいた鉄道であったが、1961年に廃止になっている。なお仙台地下鉄富沢車両基地には「仙台市電保存館」があり、かつてを懐かしむことができる。


 2018/01/22 (124 ヒット)

 アトピーは、肌がかゆくてかきむしってしまう病気である。生後4か月から6歳では12%前後、20~30代でも9%前後の人が苦しんでいる。日本のアトピー患者数は45万6000人。アメリカの患者数は約1400万人とされる。日本で「アトピー」という言葉が登場したのは1962年だが、アトピーの歴史は古く古代ローマ帝国の皇帝が、同じような症状に悩まされていた記録がある。アトピーの原因は、ダニ、ホコリ、気候、食事、ストレス、大気汚染などさまざまであり、発症すると他のアレルギーも現れやすくなる。アトピーを含め、食物アレルギーや花粉症などのアレルギーに悩むのは、今や日本人のほぼ2人に1人である。アレルギーは「文明病」とも言われる。アトピーの原因の一つが乾燥である。都市化で緑が減り、道路は舗装されビルが立ち並ぶと空気は乾燥する。アメリカでは「デュピルマブ」というアトピーの新薬が今春から治療に使われ、効果をあげているらしい。


 2018/01/20 (110 ヒット)

 昔々、人類は最初、自分に足りないものは「物々交換」で補っていた。次に用いられたのは「物品貨幣」である。例えば中国では、希少価値の高い子安貝の貝殻が物品貨幣として使われていた。紀元前7世紀頃現在のトルコにあったリデイアという王国で、世界最古の金属貨幣が誕生した。この硬貨には金と銀の合金が用いられた。銀が豊富なギリシャで紀元前5~6世紀、都市国家ごとに銀貨がつくられた。同時に金融業者が登場する。共和制ローマ時代にもさまざまな金貨や銀貨がつくられた。17世紀のイギリスで、金を預かっていた「金匠」たちが「金匠手形」を発行し、今でいう銀行が誕生する。ストックホルム銀行は、「金匠手形」を発展させて1661年に、ヨーロッパで初めて国家が認めた「紙幣」を発行した。「紙幣」は、金貨や銀貨と異なりそれ自体に価値はない。だが国家が価値を保証し人々がそれを信じることで、貨幣として成立して今に至る。


 2018/01/16 (105 ヒット)

 最近の発掘で、1万2600年前に日本で「うるしの木」があったことがわかった。7200年前には日本各地で漆器がつくられていた。縄文時代には貴重な「赤うるし」も使われている。うるしに混ぜた赤は「べんがら」と「水銀末」の2種であった。飛鳥奈良時代に、大陸から新しい「うるし工芸」の技術が入ってきた。その一つが「螺鈿(らでん)」である。これは貝殻の真珠層を切り取って貼り付ける技術。もう一つは仏像をつくる「乾漆(かんしつ)」という技法である。かの有名な阿修羅像はこの方法でつくられた。平安時代に発展したのが「蒔絵(まきえ)」の技術である。うるしの上に金粉や銀粉を蒔く技法である。こうしたうるしを用いる技術は中国から伝わったが、日本において大きく発展進化した。そうした「うるし製品」はたくさんヨーロッパに輸出され、「JAPAN」と呼ばれた。

 


 2018/01/12 (101 ヒット)

 みなさんは蚊帳(かや)をご存じだろうか。私が子供のころは、夏になると寝室で布団は蚊帳の内部に敷いたものである。蚊帳は、緑色の糸を細かい網目状に編んで作られた四角い室内用テントのようなものである。最近では、蚊も少なくなったが、昔は田舎ではたくさんの蚊がいたものだ。蚊帳は平安時代からあるそうだが、絹や木綿を使った高価なものであった。室町時代には比較的安価な麻糸で作られるようになり、江戸時代になると近江商人が大規模な蚊帳生産を行って、広く使われるようになった。それでも当時の庶民にとってはぜいたく品で、代わりの方法として「蚊遣火」が使われた。カヤの木やスギ、マツなどの葉やヨモギの葉を燃やした煙で蚊を追い払う方法である。我々が使っている「蚊取り線香」が登場するのは、明治20年のことである。そういえば小さいころ、雷が鳴ると蚊帳の中に入ったものである。

 


 2018/01/09 (141 ヒット)

 天然ダイヤモンドは、地球の深部で6万気圧2000℃にもなる高温高圧下において形成されるといわれる。それが地表近くに移動してダイヤモンドを含む砂れきが流出堆積したのがダイヤモンド鉱床である。歴史的にはインドで古くから採掘された。ダイヤモンドは、カット研磨されることでその輝きを増す。15世紀にはヨーロッパでダイヤモンドのカットが行われていた。17世紀には24の三角形の面が組み合わされる「ローズカット」が誕生する。1919年ベルギーのマーセルにより、光学的に計算され最もダイヤモンドが輝くカットが発表された。それは角度もすべて正確に計算された58面体の「ブリリアンカット」となった。現在主流のカットは「ラウンドブリリアンカット」である。他に「オーバルブリリアンカット」などもある。カット作業は、ダイヤモンド粉末を表面に塗布した円盤を回転させて、そこにダイヤモンド原石を正確に押し付けることで行われる。

 


 2018/01/05 (141 ヒット)

 御朱印とは、神社や寺院などが日付などを墨書し朱で印を押した紙などである。元々は写経を寺などに奉納した際に証明として渡されたものという。現在は参拝の記念に入手して収集する人も増えており、若い女性の間でも人気で「御朱印ガール」が登場している。この御朱印が人気になったのは約10年前。手描きの墨書と朱色の印はアート性が高く一つ一つが異なることもその理由だが、300円ほどで入手できるのも人気が高い理由である。そしてさまざまな御朱印帳も販売されている。私が京都に行ったときも、寺院では御朱印をいただく人の列を目にした。しかしこの御朱印がインターネットのオークションサイトで転売されるケースが増えて問題視されている。あるオークションサイトでの御朱印出品数は1500件にものぼる。高額なものは10万円で売りに出される。

 


 2018/01/02 (142 ヒット)

 夏休みになると、朝6時半に全国の広場や公園などでラジオ体操の和ができる。ラジオ体操はまさに夏休みの風物詩である。ラジオ体操の歴史は古い。昭和天皇の即位の大礼に合わせて、1928年に始まった。最初は「国民保健体操」の名称だった。戦時中には「国民精神総動員」の号令で、国威発揚に使われた。そのため戦後占領当局は、「30万人を一斉に動かす軍国日本の活動」として廃止を迫った。しかし内容を一新することで再開された。現在の「ラジオ体操第1」は、1951年に制定されたもので66年の歴史がある。体操は13科目からなり、作曲は服部正。現在の「ラジオ体操第2」はその翌年に制定され、作曲は團伊玖磨。これは職場向けに制定されたという。1953年には巡回ラジオ体操会も始まった。他に「ラジオ体操第3」があるらしいが、あまり知られていない。子どものころは夏休みラジオ体操に参加してスタンプをもらうのが必須だったと思う。


 2017/12/29 (146 ヒット)

 奈良時代初期の風土記に「握飯(にぎりいい)」の記述があり、日本人にとって「おにぎり」は古い歴史をもつ。鎌倉時代には梅干し入りのおにぎりが一般化し、江戸時代になって海苔巻きおにぎりが生まれる。明治18年に宇都宮で日本初の駅弁が販売されたが、その中身は梅干し入りおにぎり2個とたくあんであった。年間売上高4兆5000億円の日本最大のコンビニであるセブンイレブンでは、おにぎりが一日に575万個も売れるという。今やおにぎりはお母さんの手作りではなく、コンビニで買うものになった。セブンイレブンでの売り上げ順位は、1位ツナマヨネーズ、2位紅しゃけ、3位紀州南高梅という。おにぎりの海苔には無数の小さな穴があいていて、パリッとした食感を生んでいるらしい。三角形のものは「おむすび」でそれ以外は「おにぎり」という説や、海苔がパリパリのものは「おにぎり」でそうでないのが「おむすび」などの説があるが、違いははっきりしない。

 


 2017/12/26 (144 ヒット)

 国内の港などでヒアリが発見されて問題になっている。今年5月に初めて発見された。ヒアリの本来の生息地は南米アマゾンのジャングルである。しかし流通のグローバル化で人間がヒアリを別の地域に運んでしまった。アメリカには20世紀初めから増え始めており、ライバルがいない大陸で増殖を続けている。この小さなヒアリがアメリカ経済に、数千億円の被害を与えているという。オーストラリアでは2001年から増殖している。敵に対しては腹部先端の針を刺して毒を注入する。この針に刺されるとやけどのような痛みを感じるという。在来種アリよりも体は小さいが、攻撃的で在来種には負けることがない。実はアマゾンでは天敵のゾンビバエというのがいて、増殖は抑制されている。洪水になっても自らが集まって「いかだ」を形成し、流されて新たな地で増殖できる。

我々がヒアリを外来種としているが、1億年以上前からこの地球に生息している「ムシ」たちにとって、一番迷惑な外来種は「ヒト」であるといえるだろう。


 2017/12/22 (147 ヒット)

 現在漢字で数字を書くには、普通は「一」「二」「三」……「十」であるが、金額などの場合においては「大字」と呼ばれる「壱」、「弐」、「参」や「拾」を用いることがある。これらは常用漢字表にもある。大事な数字が、線の書き足しによって簡単に変えてしまえることを防止するという理由からである。例えば「一」に横線を足せば「二」や「三」になり、「三」は「五」に変えることができる。実は、「一」「二」「三」以外にも、「伍(ご)」、「陸(ろく)」、「漆(しち)」、「捌(はち)」、「玖(く)」が大字である。例えば一万円札を見ればそこには「壱万円」とあり、二千円札を見れば「弐千円」とある。五千円札は「五千円」だが。


 2017/12/19 (145 ヒット)

 地球上に最初の人類が誕生したのは700~600万年前とされる。東アフリカに生まれた人類の仲間たちは、二本足で立ち、道具を手に入れ、180万年前からアフリカを出てヨーロッパへ向かった。しかしそれらは結局生きのびることができなかった。そして20万年前にやはりアフリカで新しい人類として誕生したのが、「ホモサピエンス」である。彼らは5万年前にアフリカを離れ壮大な旅に出る。シベリアへそしてアラスカからアメリカ大陸へ渡った。こうして彼らが現在の世界人口73億人の源となった。4万5000年前より以前にヨーロッパを支配していたのは「ネアンデルタール人」であった。そこに同時期に入り込んだのがホモサピエンスであり、その結果ネアンデルタール人はホモサピエンスに追われ滅亡したと考えられている。両者の間にはいくつかの違いがあったが、その一つが「脳」であった。ちなみに「ジャワ原人」も「北京原人」も、ホモエレクトスの亜種と考えられており、結果的に滅びてしまい人類の祖先ではない。


 2017/12/17 (170 ヒット)

 明治時代、今の東北本線で福島から槻木までのルートとしては、丸森を通る阿武隈川沿いのルートが有力とされていた。現在の阿武隈急行線ルートである。しかし実際にはこのルートは採用されず、白石と越河を通る現在のルートが採用され、理由はどうあれ、角田と丸森は置いてきぼりになった。白石を通るルートは急な登りが課題とされたが、交流電化が完成して可能になったのだ。1968年になって槻木―丸森間が非電化で開通して、「丸森線」として暫定的に開業した。しかし丸森―福島間の線路建設は中止になり、「盲腸線」と呼ばれた丸森線は赤字を増加させていった。昭和46年には国内有数の赤字路線となった。1981年ついに「廃止」が承認されたのである。そこで福島・宮城両県は、第三セクター「阿武隈急行株式会社」を設立し、阿武隈急行線を開業させ、1988年についに福島―丸森間も開通したのである。着工から24年でようやく全線開通になった。


 2017/12/11 (202 ヒット)

 「人間国宝」は通称であり、正式名称は「重要無形文化財保持者」である。1950年制定の文化財保護法に基づき創設された。能楽や歌舞伎、文楽、演芸などの「芸能系」と、陶芸や染織、漆芸、金工といった「工芸技術系」に大別される。現在14の分野があり、認定保持者は112人いる。各人に年間200万円が支給される。しかし実はこの制度は誤解されているという。「わざ」を文化財として指定し、わざの高度な体現者を認定しているのであり、「ひと」を顕彰しているのではない。分野別件数をみると、最も多いのが「音楽」で19件22人、次が「染織」で14件16人、次は「陶芸」の9件10人、その後「能楽」5件11人、「漆芸」5件10人と続く。


 2017/12/10 (175 ヒット)

 巻き寿司やチラシ寿司などの料理には欠かせない食材である「かんぴょう」、昆布巻きのひもにも使われる。かんぴょうは、ウリ科も植物である「ユウガオ」からつくられる。そのユウガオは夏の今が収穫時。生産地は栃木県がダントツで9割以上のシェアを有する。畑で小さな実のときにこれを立ててやることで、まん丸い形にする。果実は大きさが25~30センチ、重さ6~8キロのものを収穫し、中央に鉄の棒を刺して機械にセットして回転させる。外側から刃を押し当ててまず外皮をむき、その後にかつら剥きの要領で細長いひも状にむいていく。中央部はタネがあるので使えない。そしてこれを乾燥させて出荷する。低カロリーで食物繊維に富み、カルシウムやカリウムも豊富という。


 2017/12/02 (134 ヒット)

 正常な目の場合には、目の中に入った光は網膜上に焦点が合って物がはっきりと見える。「近視」は、網膜の手前で焦点が合うため遠くのものがぼやけて見える。その逆に「遠視」は、網膜の後方で焦点が合うから近くのものがぼやけて見える。「乱視」は、縦方向の光と横方向の光が別々の場所で像を結ぶため、ものが二重に見えたりぼやけたりしてしまう。乱視の中では縦方向の光が網膜の手前に焦点を結ぶ「直乱視」が多いとされる。目の角膜は本来球状だが、加齢とともにゆがんでくることで起こる。ちなみに「老眼(老視)」は、近くのものを見るとき水晶体を厚く調整して焦点を合わせるが、年をとってこれができなくなる症状。


 2017/11/30 (112 ヒット)

 蚊取り線香の草分けといえば、金鳥ブランドで知られる大阪の「大日本除虫菊(株)」である。創業者の上山英一郎が、乾燥させた除虫菊の粉で世界初の棒状蚊取り線香をつくったのが1890年。だが長さ20センチの棒状では燃焼時間が40分しか持たなかった。悩んでいた創業者に、「渦巻き」というコロンブスの卵的アイデアを提案したのは、上山の妻ゆきであった。こうして1895年、実用化まで7年をかけて渦巻き型蚊取り線香「金鳥の渦巻き」が誕生した。当時開発実用化された方法は、長さ60センチの線香を2本同時に手で巻いてつくる方法(ダブルコイル)だったという。その後機械で打ち抜く方式になっている。ちなみに金鳥の渦巻き蚊取りは「左巻き」だという。


 2017/11/25 (113 ヒット)

 「静脈」とは心臓に戻る血管のことで、一方心臓から出ていく血管は「動脈」である。多くの動脈には静脈が寄り添っているが、血液は互いに逆の方向に流れる。全身の静脈血は大静脈へ集まって心臓の右心房へ入り、右心室から出て肺動脈を通って肺へ向かう。肺で酸素の補給を受けたのち、血液は肺静脈を通って左心側へ戻り大動脈から出て全身へ送られる。血液中の赤血球に含まれるたんぱく質のヘモグロビンが酸素分子の運び屋である。ヒトの全身の血液量は体重の8%ほどで、体重60キロの人なら約5リットル。そのうち動脈の容量は18%、静脈が75%、毛細血管が7%となっている。毛細血管は細く壁が薄いことが特徴で、壁を通して細胞や組織との間で物質の交換が行われる。


 2017/11/23 (130 ヒット)

 厚生労働省が示す「五大疾病」は、「糖尿病」「がん」「脳卒中」「急性心筋梗塞」「精神疾患」である。2015年の糖尿病患者数は、全世界で4億1500万人にものぼる。「糖尿病」は、血糖値が一定の基準を超えて高くなっている状態をさす疾患であり、飽食の時代が生んだ比較的新しい病気といえる。血糖値はさまざまなホルモンによって、非常に狭い範囲に保たれている。だが人類の体で血糖値を下げるホルモンは膵臓から分泌される「インスリン」ただ一つである。高血糖の状態が続くと、血管の劣化が進み動脈硬化を引き起こしやすくなる。ということは脳卒中などの確率が高くなる。また肥満になると糖尿病を悪化させるホルモンが多く分泌されるというので要注意だ。対応策は低カロリー食と適度な運動。もちろん薬物も開発され販売されている。


 2017/11/19 (134 ヒット)

 梅雨時期は湿度が高くじめじめしている。天気予報などで言われる「湿度」は、正確には「相対湿度」である。1立法メートルの空気の箱に含まれる水蒸気の限界量(飽和水蒸気量)に対して、実際にどれだけの水蒸気が含まれているかを示すのが、「相対湿度」である。この「飽和水蒸気量」は、気温が上がると大きくなり気温が下がると小さくなる。したがって同じ80%の湿度でも、10℃80%と30℃80%とではその水蒸気量には大きな違いがある。高温高湿の環境が最も「じめじめ度」が高くなる。さて、突然に温度が下がると、飽和水蒸気量は小さくなるから余分な水蒸気が水になり、「結露」が起こる。例えば室内の温かい空気が冷たい窓ガラスに触れると、その部分で水蒸気は水になって結露になる。


« 1 2 (3) 4 5 6 ... 20 »