広報委員 佐藤光雄(技術士:機械、宮城県)

2013/01/03 (887 ヒット)

 従来のアナログテレビでは走査線数は525本でしたが、テレビがデジタル化されてその画質は大きく向上しました。現行のフルハイビジョン方式は、横方向に約2000個、縦方向に約1000個の画素(正確には1920×1080)を並べた画面で映像を表示しています。
次に話題になっているのが4Kテレビというもので、従来の4倍の解像度を持つ次世代テレビです。4Kテレビでは横方向約4000個、縦方向約2000個の画素で表示しますので4倍になります。映画館で使われる最新鋭デジタルプロジェクターと同じ画質を楽しめるといいます。
実は東芝は2011年12月に55型の4Kテレビを発売しましたが、その実勢価格は70万円と高く対応する映像ソフトが存在しないため、従来のソフトを画像処理によって高精細に変換する機能を使うしかなくあまり台数は出ていません。
ソニーと東芝が4Kテレビの84型を発売すると発表し、韓国のLG電子も売り出すと発表して市場の活性化が期待されるようになりました。大画面になるほど画像が粗くなるという現状に不満を持つユーザーの声に応えようというものです。ソニーは2012年11月に168万円で売り出すと発表、東芝も2013年春に発売すると発表しました。ただそれでも対応する映像ソフトができていないという問題が残るので、内蔵する画像処理によってデジタル処理で高精細化した画像を楽しむことになります。


2012/12/27 (854 ヒット)
ダイソン社が開発した「エアマルチプライヤー」は、羽根のない扇風機です。とぎれがなくより自然に近い送風ができるといいます。その特徴は羽根がないので安全安心、手入れや清掃が簡単、風量の微調整が可能などです。何よりも従来にない画期的な扇風機であることに驚きます。
下部構造内部に、ブラシレスDCモーターと羽根車(インペラー)を持ち、下部の吸気口から吸い込まれた空気が上部のリング状構造内に送られ、リング状にぐるりと取り囲んで形成された幅1.3mmの開口部から高速で吹き出すのです。この高速気流が周囲の空気と背後の空気を巻き込んで、リング内を通って前方に送り出される空気流を生み出すという原理です。リング状構造の断面は流体力学で設計されて飛行機の翼に似ています。インペラーはジェットエンジン用空気圧縮機の技術を応用しているそうです。

2012/12/25 (745 ヒット)

今やあらゆるものの開閉部に使われているファスナー(スライドファスナー)では、日本のYKKが世界一の市場占有を誇っています。その高品質と全世界への供給体制が認められています。しかし最近では中国製が増加しているといいます。スライドファスナーは、1891年にアメリカのジャドソンが靴ヒモを結ぶ面倒さを解消しようとして開発したとされます。ジッパーやチャックと呼ばれることもあります。
YKK創業者の吉田忠雄は1908年に富山県で生まれ、1934年にサンエス商会を設立してファスナーの加工・販売を開始しました。その当時は女工の人たちが手作業で務歯(むし)を植えつけていたのですが、吉田は1950年に日本で初めてアメリカから高速自動植え付け機を購入しました。その速度は1分間に1200個もの務歯を植え付けることができたので驚いたといいます。

吉田は自社一貫生産をものづくりの根幹とすることを決意し、各種ファスナー専用機を自社製造することにしました。そしてアルミ合金の製造から最終製品までを自社で一貫してやれるようにしたのです。アルミ建材事業へも進出してアルミサッシメーカーとしても有名です。なおYKKは株式を一切上場していません。


2012/12/20 (719 ヒット)

最近「シェールガス」や「シェールオイル」ということばを聞くようになっています。

前者は地下にある「頁岩(シェール)」と呼ばれる硬い泥岩の中に閉じ込められている天然ガスのことであり、後者は同じく「頁岩」の中に閉じ込められている石油のことです。

その存在は以前から知られていましたが、取り出すためのコストで採算がとれなかったのです。しかし中東オイルの価格アップと新しい採掘技術の開発によって、現実的なものになりました。

今では米国やカナダで盛んに採掘されるようになりましたが、その方法は大量の水を強い水圧で注入して岩盤に亀裂を作りガスやオイルをしみ出させるというものです。その深さは地価3000mにもなるので大変ですが、米国の採掘可能埋蔵量は332億バレルもあるといいます。米国は中東への石油依存をなくする方向で各国にシェールガスとシェールオイルの採掘技術を広げようとしています。

日本でも秋田でシェールオイルが確認されていますが、商業生産は期待できません。 日本ではむしろ海底資源としてのメタンハイドレードが期待されていますが、こちらも技術的にはまだまだの状態です。

 

 


2012/12/20 (595 ヒット)
再生可能エネルギーとして「地熱発電」は実は大きな可能性を秘めています。地中奥深くには膨大な熱が蓄えられています。地中30~270キロの深さでは現在も約1000度の温度があると考えられています。こうした地下の高温エネルギーを使って電気を作るのが地熱発電です。深さ数キロにあるマグマだまりによって熱せられた地下水がたまっている地層まで井戸を掘り、そこから噴出してくる蒸気でタービンを回して発電します。
地熱発電の歴史は古く、1904年にはイタリアが世界で初めて発電に成功しました。日本では1925年に別府で発電をしたのが最初です。現在国内で最も大きいのは大分県の八丁原発電所で、11.2万kWの発電をしています。世界的には伸び続けている地熱発電ですが日本では伸びていません。その理由は、適地の多くが国立公園の中にあり開発ができないこと、地元には温泉の枯渇という不安があり反対があることなどが挙げられています。
しかし地熱発電は、
(1)石油やウランといった燃料がいらない
(2)太陽光や風力のように天候の影響を受けない
(3)枯れる心配もまずない
(4)二酸化炭素を発生しないので環境にやさしい、
といった特徴があり、世界的には今後も伸びるといわれます。
 

2012/12/17 (839 ヒット)
壮麗な赤レンガの駅舎を持つ「東京駅」が誕生したのは1914年。もうすぐ100年になるのを前に、その駅舎が完全復元工事を経て創建時の姿で本日オープンします。東京駅は、「横綱が皇居に向かって大きく手を広げて土俵入りをしている姿」とも言われます。明治41年に当時の日本建築界第一人者であった辰野金吾氏が、辰野式ルネッサンスと呼ばれる設計を行いました。
レンガ積み鉄骨3階建て、さらに左右に八角形の巨大なドームを備えた、正面長さ335mの重厚感に優れた建築物でした。関東大震災には耐えたのですが、昭和20年の空襲による火災でドームと3階部分を失ったのです。しかし昭和22年に2階建て駅舎として再建されました。昭和39年には東海道新幹線が開業して東京オリンピックが開催され、平成3年には東北・上越新幹線の東京駅乗り入れが実現して、まさに中央駅になりました。創建時の姿へという復元工事は2007年にスタートして、この2012年9月に完成しました。
辰野金吾氏は、佐賀県で下級役人の子として生まれ、工部大学校(現東京大学工学部)で有名なコンドルに学び、工部大学校を主席で卒業後、英国に留学してヨーロッパの建築を学んだ日本建築界の重鎮でした。

                             

2012/12/14 (615 ヒット)
佐藤光雄(技術士:機械、宮城県)  広報委員のご協力により、本日より1分間で読める科学・技術の話を連載いたします。
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