TOP : 365.薬と価格
 2018/03/12 (90 ヒット)

 この10数年で薬の世界はすっかり様変わりしたという。かつて大手製薬企業の売り上げを支えたのは、多くの人がかかる病気が対象の「低分子薬」で、これは化学工場で低コスト大量生産ができた。しかしこうしたかつての薬の大半は、特許期限が切れて安価なジェネリック薬に市場を奪われた。現在の売上高上位を占めるのは、「バイオ医薬品」である。対象となる病気は今のところ特定のがんやリウマチなどに限られるが、遺伝子組み換えや細胞培養など高コスト技術で製造され、薬価はけた違いに高くなる。特許切れ後も後発薬がつくりにくい。画期的な抗がん剤として注目を集める「オプジーボ」は、日本では年間3500万円に及ぶと試算されて問題になり、今年になって一気に半額に引き下げられた。それでも100ミリグラムで36万5000円と高価である。日本ではどんなに高額な薬でも公的医療保険で面倒をみてきた。だが高齢化で医療費が膨大になって、費用対効果が見直されてくるだろう。