TOP : 364.シェイクスピア
 2018/03/09 (104 ヒット)

 英語で書かれた最も美しい文学作品といわれるシェイクスピアの数々の戯曲、中でも「ハムレット」は最高傑作とされ、数限りなく舞台で演じられまた映画化もされた。To be or not to be that is the question (生きるべきか死すべきかそれが問題だ)は、あまりにも有名なせりふである。作者のシェイクスピアについては、実在しなかった人物ではないかという説がある。自筆原稿も1行の日記も手紙も存在しないからである。別人が使っていたペンネームではないかといった説がある。明らかになっているのは、1564年イングランドに生まれ18歳で結婚、28歳で突然劇作家としてロンドンに現れる。その後「ロミオとジュリエット」をはじめ大当たりの戯曲を発表し続ける。日本でいえば徳川家康が幕府を開いたころである。43歳ころに引退して故郷に隠棲し1616年に52歳で死去する。400年以上前の作品は今も色あせることがない。


 

366.日本人とコミュニケーション

 お笑いコンビ「パックンマックン」で活躍するハーバード大学卒業のパトリック氏のことばで「なるほど」と思うものがあった。

(1)「コミュニケーション」とは、日本語の「共」の概念を含んでいるので、ことばをやり取りするだけではなく「やりとりの結果何かを共有する」という概念まで含んでいる。単に会話しただけでは「コミュニケーション」は成立しない。

(2)日本語ではことばを省略することが多い。「例の件よろしくね」と言われても、日本人は場の空気を読みすぎるので、「例の件とは何?」と聞きにくい。こうしたことが「和」をつくってきたが、正しく伝わらないこともある。

(3)日本人は他人に対して謝りすぎだ。人に話しかける言葉は「すみません…」から始まる。挨拶代わりに謝罪のことばを平気で使う。アメリカ人にはないこと。

(4)日本語には尊敬語や謙譲語といった敬語があって、相手に対してとてもやさしい言葉である。

 

367.街の本屋さん

 全国の「街の本屋さん」が減ってきている。全国の書店数は1万2500店余り、2000年に比べて4割以上も減った。ネットやスマホの全盛で「紙の本」離れが進み、出版物の売れ行きは落ち込んでいる。大規模書店はそれほどでないが、小さな書店は経営が厳しくなっている。店主は高齢化し引き継ぐ人もいない。国内出版物の販売額は1996年がピークで2兆6500億円、昨年はそれに比べて45%減であった。雑誌はピーク時に1兆5600億円だったが昨年はその半額以下になった。2000年に上陸したネット販売大手のアマゾンは、今や売上高日本一の書店になっている。そもそも本や雑誌の販売の仕組みは一般商品と異なる。出版社が指定した価格で売ることになっている。価格競争を避けて出版文化を守るためとされる。売れ残りは取次ぎや出版社に返品できる委託販売が基本である。

 

368.元素のでき方

 物質の根本材料である「元素」は、これまでに陽子の数が1個の水素から118個のオガネソンまで118種類が見つかっている。113番元素のニホニウムは理化学研究所で誕生した。宇宙誕生から1万分の1秒後に陽子や中性子が生まれた。約3分後には陽子と中性子が2個ずつ集まってヘリウムが誕生した。次にリチウムも生まれたがここでいったん停止し、約4億年後になって高温高圧の星の内部で、ヘリウムが核融合することで炭素が生まれ、こうした核融合と核崩壊などで酸素、窒素、ケイ素なども生まれた。26番目の鉄までの元素がそろった。だが星の中での核融合では「鉄」以上に進むことはない。鉄より重い元素は超新星爆発によってできたとする説が有力だが、実はよくわかっていない。43番、85番、そして93番以降の元素は、自然界に存在せず人工的につくられた。

 

369.富嶽三十六景

 霊峰富士は古くから信仰の対象とされ、多くの絵画にも取り上げられてきた。葛飾北斎の「富嶽三十六景」は72歳にして制作された。天保2~4年頃に北斎は、「富嶽三十六景」46枚を永寿堂西村屋から出版し、これが大ヒットになって「風景版画」のジャンルが誕生した。一方で保永堂は歌川広重に東海道五十三次を描かせて出版した。「富嶽三十六景」は、お江戸日本橋から始まって46枚目の諸人登山まであり、特に有名なのが「神奈川沖浪裏」「山下白雨」「凱風快晴」であろう。三十六景のはずだが、好評のため続編として10枚が追加された。北斎が実際に現地をすべて訪れて写生したかどうかは疑問があるが、頭の中で構成された風景は見事で、図柄の面白さを追求している。「神奈川沖浪裏」では、藍色の濃淡と白のみで大波を表しかぎ爪のような波頭を創り出している。作曲家ドビュッシーはこの図を見て管弦楽曲「海」を作曲した。北斎はさらに75歳にして「絵本:富嶽百景」を出版している。

 

370.葛飾北斎、3つのGreat Wave

 NHKテレビ「歴史秘話ヒストリア」を見た。今年はロンドンの大英博物館で葛飾北斎展が開かれ、そこでの注目は「Great Wave」である。これは有名な富嶽三十六景の神奈川沖浪裏に描かれた波頭をさす。北斎は1760年江戸に生まれる。37歳で神社に奉納されていた西洋画を見る、そこには富士山と波が描かれていたという。北斎が50歳ころに描いた波の絵は、以前に比べて幾分迫力が増していた。1831年72歳で富嶽三十六景を描く。その中で神奈川沖浪裏に「第一のGreat Wave」を完成させた。北斎はその後も人々が驚くような意欲的作品を次々と発表する。そして「富嶽百景」では「海上の不二」において、砕け散る波がしらが鳥に姿を変えて飛んでいくかのような新しい「第二のGreat Wave」を完成させた。80歳を超えてからは信州の小布施を訪れて、ここで「最後のGreat Wave」を完成させる。それが上町祭屋台の天井に描かれた「男浪」「女浪」である。この2枚は今回初めて小布施を離れて大英博物館に運ばれた。私が小布施に行ったときちょうど貸出し中になっていた。